「怪我の功名〜Lucky & Happy〜」Crazy Director Recording Diary 04
ピアノの野﨑さんの超絶テクニックにより、トラブルを乗り切りながら「じれったい」の録音は完了しました。そのタイミングで、ピアノの調律師がもどってきてくれました。
すべてがうまく回り始めると感じた瞬間でした。ぼくらにとって「時間」というのは大変貴重なものです。そして、そこには、確実に「流れ」というものが存在しています。
高校野球でも、ちょっとしたことで、くずれてしまったり、また逆に、勢いがついて一気に10点もとることだってあります。これは、視点のもんだいで、同時に起こっている事実でもあります。一方からみたら、勢いであり、一方からみればズタズタに崩れている瞬間です。
さて、ぼくらのレコーディングは、悪く転ぶ可能性もありました。しかし、そこをピアノの野﨑さんのポジティブ思考で、トラブルさえもおもしろがるくらいの気持ちをもって乗り越えてしまいました。この録音もとてもいいものになりました。
そして、そのタイミングで、ピアノの調律師さんがきました。このタイミング、この時間、というのがベストタイミングでした。
実は、ピアノの調律コンディションが、ちょうど高音部のチューニングがすこしくるって来ているなと感じている頃でした。ハンマーの修理のために再度、調律師さんが来たときには、次の曲では、高音部の音程が気になってきて、生ピアノをつかうかどうか?わからないなと、思っていたときに、修理にやってきたわけです。
トラブルを乗り越えて、ピアノのハンマーの修理とともに、もちろん再度調律をしてもらいます。これにより、ピアノはまた一番いい状態へともどりました。そして、ピアニストとしても、安心して思い切りプレイができる環境が揃ったわけです。
順調にいくときって、すべていい方へとものごとが転がっていきます。どこか神がかっていますね。
16:30 ~ ピアノ修理タイム
ディレクター:「おー、タイミング最高ですね。ここで、PV撮影しちゃいましょう!」
撮影用のセッティングに変えます。ドラムは録音がつづくからドラムを中心として、撮影用のセッティングを整えます。
今回のアイデアは、カメラ1台で編集なしの1カットで行う計画です。朝入ったときかから、森川さん&メンバーの立ち位置などは、映像監督に決めておいてもらいました。
監督の翁長さんは、RCサクセションのスチールカメラマンとしてそのキャリアをスタートして、映像へ、そして音楽現場のすばらしいドキュメンタリー映像を数多く制作してきた映像監督です。
17:00~ 「じれったい」 PV撮影
30分ほどで、撮影は終わりました。
ギターはここまでなので、片付けてもらい撤収。このまま、次のセッティングへと進みます。このタイミングで食事をとることにしました。
ここまでで、すでに3曲の録音と1曲のPV撮影が終了しました。
この日の録音予定ではドラムの入った曲は、ここまでの予定でしたが、演奏が非常にスムーズであったのと、このいいムードの流れを止めたくないと感じました。
このままドラムの入っている曲を続けて録音することにしました。撮影が終わった段階でちょうど、ピアノの修理が終了しました。すべてのタイミングが奇跡的ともおもえるほど、ぼくらの録音の味方をしてくれます。
この日は、湿度も高く、ピアノの高音の調律がずれて来ていました。なので、ピアノハンマーの修理とともに、調律も直してもらいました。まさに「怪我の功名」でした。