「あの頃へ」Crazy Director Recording Diary 11
2019-8-14 18:10 ~ 「あの頃へ」
Piano +ちょっぴりシンバル+歌
前回「Friend」のレコーディングまで書いていました。この日のレコーディングはまだ続きます。
今回のレコーディングは、最大4名の編成という「制限」を自らに課して、その中で最大限の演奏効果を求めるというレコーディングをしています。
<Crazy Memo>
最大の人数として4名・・・ドラム、ベース、ピアノ、ギター
トリオ編成その1・・・ドラム、ベース、ピアノ
トリオ編成その2・・・パーカッション、ピアノ、ウード
トリオ編成その3・・・パーカッション、ピアノ、ベース
デュオ編成その1・・・ピアノ、ガットギター
デュオ編成その2・・・ピアノ、パーカッション
デュオ編成その3・・・ピアノ、ベース
ピアノだけ(+ちょっぴりシンバル)
というバリエーションで13曲を録音しました。
「あの頃へ」は、一番下の、ピアノだけ(+ちょっぴりシンバル)です。
なんと贅沢なシンバルの使い方でしょう。
森川さんの歌の感覚は、どんどん研ぎ澄まされていきます。体は疲れていきますが、精神はどんどん敏感に音に反応していきます。それを感じ取る野﨑さんのピアノも同じ空気につつまれて、完全にシンクロしていきます。
この状態で、歌とピアノだけというレコーディングになりました。これは結局3回ほど演奏をしましたが、どれもよかったので、ぼくとしてはどれでもいいので森川さんと野﨑さんに決めてもらいました。
3テイク目をえらんだので、このテイクに森川さんに自由に2回くらい歌っておいてと歌ってもらいました。
ゾーンに入るということってあるのでしょう。すばらしい歌でした。パーフェクトです。
時間は18:50です。
森川さんは大阪へ帰りますが、まだ少し時間があります。
Crazy D「一匹さん、ダビングするまえに、森川さんがいるうちにPV撮影させてください」
一匹さん「いいっすよ」
Crazy D「はい、ではピアノをここに移動して、森川さんは、この椅子に座って、、はいそれで、一匹さんは、絨毯のところにすわって、その不思議な音のする魔法の壺を叩いてください」
映像監督 「このアングルでいいですか?」
Crazy D「はい、それでいいです。やりましょう。はい、音流してくださーい」
映像監督 「うーん、ちょっと森川さん、もう少し前にきましょうか。もう一度お願いします」
・・・こうやって「Friend」のPVを30分で終えました。
19:20 です。
この驚異的なスケジュールの中で、、、2日間で9曲のオケが完成。歌も8曲はOK。さらに、PVを4曲撮影しおえました。
クレイジーな計画でしたが、みなさまのおかげで、見事にクリアーしました。
森川さんは明日も朝早くから大学です。よくぞこんなスケジュールに挑み、歌いきってくれました。さぁ、とっとと帰りましょう。
19:30にスタジオを飛び出し、20時過ぎにの新幹線にのってもらいました。
ぼくは、残って、この日のラフミックス資料をつくって森川さんへメールしました。
翌朝起きたら森川さんからメールが来ていました。
「あの頃へ・・・歌い直してもいいですか?」
「え?」
もう一度、文章を見直しますが、ちゃんと歌い直したいと書いてあります。
「どうして? なぜ? なぜなんだぁー???」
・・・と思いながらも、もちろん、ダメだなんて、そんな恐ろしい事は言えません。
「はい、わかりました」
自分をおちつけてから、そう返信をしました。
ぼくには意味はわかりませんが、でも気にすることはありません。どちらに転んでも、いい歌はもう録音されているのですから。