思考の散歩道

散歩好き音楽ディレクターの日記

理想の老後ってどんなだろう?

あまり人の文章を読んでいないのですが、うつパニブログというのがいろいろな意味で良くて、ファンになり読んでいます。

最近のテーマに、理想の老後「縁側で茶をすする」というのがありました。僕の場合、連れ合いが他界し先月三回忌で、ともにすごす老後はありませんが、ただ、その将来のイメージとして「縁側で茶をすする」というのも、とても素敵だなと素直におもいました。

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これを読んでいて、ある日のことを思い出しました。あれは、2010年の秋だったと思います。毎日、朝か夜に奥沢にある病院へ通っていましたが、その帰り道、自由が丘の駅近くの座ってたべれるけど、イメージとしては立ち食いそばみたいな、十割蕎麦のおみせに入りました。

 

75歳くらいの夫婦が入ってきて、座席がないから分かれて別々に座りまして、お父さんがぼくの隣に座りました。ぼくはお蕎麦がまだくる前だったので「座席変わりましょうか?」と声をかけたら、お父さんは「いいよいいよ、新婚でもあるまいし」と笑っておっしゃった。

 

あのとき、心から羨ましいと思いました。あまり他人のことを羨ましいなんて思うことはないのですが、病院のベッドでまだ目は見えているのか?耳は聞こえているのか?もわからない状態の妻を見舞い、その帰りのそばやでのワンシーンでした。

 

「if」なんてことは、考えても意味がないことかもしれませんが、ぼくらにも、もしかしたら、こんな老夫婦になる将来があったのかもしれないなと思いながら、そしてとなりと後ろで別々に座りながら蕎麦をすする元気でたのもしい老夫婦を微笑ましく思いながら、鴨蕎麦を食べた記憶がよみがえりました。

 

「しあわせ」という定義は何もないことですが、当たり前でいることが、一番かなぁと感じたことを思い出しました。

 

風邪をひいたときに、普段の健康のありがたさを思い、ぎっくり腰をしたときに、痛みのない体の幸せを思い知る。いつも比較ばかりしながら生きているぼくらは、あたりまえのその瞬間のしあわせに気がつきません。

 

理想の老後かぁ。。。来週還暦だなぁ。

そろそろ、ちゃんとイメージしとかないとな、縁側でやることを。